私のナラティブ

正しいかどうか別として ごちゃごちゃ頭の整理箱

男装飲食店でバイトした話

別に男装癖はない。

男装女子が好きなわけでも無い。

男になりたいとか思ったこと無い。

でも男だと社会で認められ易くていいなあとか

身体能力高くていいなあとかは思う。

 

けど、お賃金はいらない。

おっぱいもそんないらないけど、

お賃金つけるくらいなら

おおきいおっぱいが欲しい。

 

なのによく、コンカフェという

異世界へひとり飛び込んだなあと、

今思うとまじで凄い、私。

 

ほんとあほだった。

若気の至り。いい思い出。

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大学3年生。春学期がはじまり、

大学の授業を聞かずに、

私はスマホで男装喫茶のバイトの

募集をひたすら検索していた。

こちとら、糞大学生のプロなんで。

 

そして、6月だかそんくらいに、

バイト先の先輩に男装姿の写真を撮ってもらった。

都内某所にある男装飲食店に応募したところ、面接まで通った。

テキトーに面接を受けたら、

研修生として3日間出勤することになった。

 

研修初日は、

ライトブルーのデニムで行って

すげえ嫌な顔されたのを覚えている。

黒いパンツが良かったらしい。

 

知らんがな。

 

でも、有難いことにその後は歓迎してもらえて。

面接時にたまたま出勤してたキャストさんと常連さんがそこにいて。

 

「今まで中途採用で何人か面接来たけど、通ったの、op5くんが初めてだよ〜、すごいじゃーーーん!」

 

「やだぁ、可愛いお顔〜、え?前世ないの?ここが初?!かわいすぎる〜」

 

めちゃめちゃ謙遜して、

 

そんなことないです、恥ずかしいです、

そんな褒めないでくださいいいい

 

とか言ってたけど、内心超ドヤっていました。腹黒なんですわ。

 

 

この日で私の、

ウブな清純派弟キャラ

が出来ました。

 

 

2日目、既に心折れはじめる。

 

男装している女の子として、

お客さんと話すことが苦痛だった。

セクシャルの話とか、

私に関する話をされた時、

何も話したくなかった。

だからテキトーに嘘ついたり、

上手く相手に質問してかわしていた。

私は器用に嘘をつけないし、

嘘ついたらモヤモヤするから極力したくない。

趣味もコスプレとかアニメとか漫画とか、

男装女子あるあるのやつじゃなくて

バイクとか、古着とか、そーゆーので。

話盛り上がらんし。

 

そもそも、一人称「僕」って言えなくて、

先輩方も「君」じゃなくて「さん」呼びで。

 

男のフリをする自分に違和感を感じた。

いつもの自分とは違う、

「〇〇くん」を演じることに違和感を感じた。

 

3日目、最後の研修。

 

一番良くしてくれていた先輩に、

私向いてないかもと相談をした。

 

プロデューサーさんもいたから、

少し弱音を吐いた。

 

深夜は、お客さんが引いたから

私と、その先輩、そして私を面接し、採用してくれたマネさんと一緒に、

ひたすらボトルと棚の掃除をした。

 

その時マネさんから、

op5くん、このまま採用になるけど、

どうかなー?やっていけそー?

と言われた。

 

正直、この3日間糞だったから

採用?まじかよって感じだった。

 

だからマネさんに言った。

 

私は向いてなさそうです、

何で採用してくれたんですか?

 

バイトするかどうかは、

後ほど連絡させてください。

 

 

先輩の言葉。

向いてないようには見えない、

そんなことないって、

まだまだこれからだよ、

もっと自信持っていいんだよ、

面接で君を採用すると決めたマネさんを信じて欲しい。

話すキャストもいれば、聞くキャストもいていいんだから、

無理に話そうとしなくていいんだよ。

 

社員さんの言葉。

面接時、丁寧で良い子だなあと思ったよ。

プロデューサーも、いいんじゃない?って言ってたし。

お客さんとも話せてるし。

向いてないとは思わなくて良いと思うし、決めるのは早いと思う。

けど、無理はしないで欲しい。

 

プロデューサーさんの言葉。

向いてなくないと思うけどなあ、

ウチの店にはいない、良いキャラだと思ってるよ。

素質あるよ、勿体ない。

 

 

 

 

3日間しか働いて無い私に

そこまで優しく言ってくれる、

そんなコンカフェってなかなかなくね?

 

せっかく私に期待して採用してくれて、

男装が好きで応募して落ちた人もいるなかで、

今諦めるの、勿体なくね?

 

そう思って、

私は正式に働く決心をしました。

 

 

 

それから。

 

めっちゃ苦しかった。

楽しかった時もあったけども。

 

何が無理だったかって、

まず、出勤日数が少ない。

掛け持ちだったり、大学あったり、

セミナー行ってたりして、

(予定詰める私がアホなのは、そう。

そうだけども…!)

週に一回出れれば良い方だった。

それだと何が大変かって、

仕事が覚えられない。

そしてなにより、馴染むのに時間がかかる。

 

あともう一つ、まじでキツかったこと。

アルコール問題。

私は本当に酒が弱い。

サワー薄めを2時間かけて、

顔真っ赤にして飲む。

動悸が止まらなくなる。

クライナーとかキャスドリとか、

お酒が飲めることは凄い光栄なことなのに、

全然嬉しくなかった。

バックなんていらないから、

酒を飲まないでいたかった。

先輩に、代わりにクライナーを

飲んでもらう罪悪感。

シャンパンを、

コソッとジンジャーエール

変えてもらう罪悪感。

皆優しいから、代わりに飲むよ!

って言ってくれるけど、

バックは私に入る訳で。

 

あともう一つ。

私は、ビジュアルに関する自己顕示欲が

思ったより無いと気付いたから。

 

自分の考えや、あったことは聞いて欲しい。

そういう自己顕示欲はゴリゴリある。

だからこうしてブログを書いていて。

 

キャストはTwitter開設して、

自撮りバンバン上げて、

出勤したよー、退勤したよー、

こういうことしたよー、

皆んなありがとう!

とかやったり、

お店にお客さんがいない時は、

showroomをやる。

 

それするまでは、

私は自分の顔面に

悩むほどのコンプレックスはなかった。

田舎な地元にいれば程々に顔褒められるし、

たまにナンパされるし、いや自慢じゃなくて。

可愛いとは自分では思わないけど

他人基準では良い方なんだなーと、

そういう解釈をしていた。

 

バイトをしていく中で、

Twitterに男装の私の顔晒したくないし、

showroomもやりたくない、

そう気づいたとき、

私まじでキャスト向いてないと思った。

 

しまいには、

お店としてアイドルデビューすることになって、

私は絶対に出たくないし、

そういうことに非協力的だった。

皆が頑張っている中で。

 

だから、

これ以上この店には居られない、

そう思って辞めました。

生誕祭を境に。

3ヶ月の人生だった。

 

生誕祭はまじで嫌だった。

義務だったから、

面接時に約束したからやったけど、

まじでやった自分偉かったと思う。

この1年で一番の偉業。

 

生誕祭当日、あわてて

わざわざブロマイド用の写真を撮ってくれた友人、ほんとありがとう。

君がいなかったら生誕祭終わってた。

 

 

 

 

そもそも、

趣味でも何でもないのに

なんで男装バイトを始めたのか。

 

・地元の人間関係の狭さが気にくわない

 

・レベルの高い人と話したい

 

・自分を売る仕事で、自己プロデュースしたい

 

以上。

 

今までの人間関係だと、

自分何も成長できないなと。

都内某所はビジネスで成功してる人多いイメージだったから、そういう人と話したいし、繋がりたかった。

 

あと、将来のこと考えたとき、

自分自身に魅力が無いと

仕事任せてもらえないなとか

人がついてこないとか

とにかく何においても

私を選んでもらえないなって。

 

 

それを踏まえて、

男装飲食店のバイトを経て得たこと。

 

・話の繋げ方

 

・世界観が広がった

 

・自己プロデュースは、直接自分を売らなくても鍛えられるわ

 

 

話の繋げ方について。

私は自分のことは話したくない。

しかも出勤がレアだったから、

お客さんは毎度毎度はじめましてで。

会話を弾ませるのは難しい。

 

だからとにかく、質問することにした。

 

今飲んでるものとか、良くこの店来るのかとか、服装とか顔とか、身近なことから入る。

 

んで、褒める。

 

お酒の話だったら、

私は下戸だから羨ましい、とか。

顔、〇〇(イケメン)に似てるって言われません?、とか。

常連さんだったら、

私より先輩ですね、色々教えて下さい!、とか。

 

そっから、好きなこととか

その人の内面的なこと聞いて、褒めるの繰り返し。

その中で話題を深掘りしながら、

その人が語りたいナニカを探る。

見つかったらそれはもう、勝ちよ。

 

とにかく、目の前の貴方にに興味があって

それが本人に伝わるようにしようとしてた。

 

世界観について。

めちゃめっちゃ稼いでる個人事業主の方とか、

立派なビジネスマン、

凄いナニカのオタクさんとか、

芸能活動している方とか、

やってることが違えば、

考え方も人となりも全然違う訳で。

 

そーゆー人もいるんだとか

そーゆー生き方もあるんだとか

めちゃめちゃ勉強になった。

以前より頭の固さが幾らかマシになった。

 

大学にいるとどうしても

相手は大学生だし、教授だし、

バイト先でも

相手はちょっと金持ちのおじさんや

同伴とかで、

あんまり話してても刺激がなくて。

 

だから、都心は面白い。

 

自己プロデュースについて。

キャストさんはどう自分を魅せてるのか、

その方法を盗んでやろうと思っていた。

けど、彼女らは特別なことしてないなと感じた。

強いて言うなら、SNS

私は自分の見た目で、SNSを駆使して

自己プロデュースすることは生理的に無理だったので避けた。

男装界では結局顔一番だと思ったし、

出勤日数が大事だと気づいた。

自分をどう魅せてやろうか、よりも

ありのままの自分を晒して、

それを受け入れてもらって

親密な関係になってんだなと。

私には無理だ。

家遠いし、メインのバイトあるし、

他のことで忙しい。

そこまでそこに時間をかけられない。

 

焼肉屋のバイトでサービス業する中で、

並行して自己プロデュースすれば

お客さんに気に入ってもらえたり、

調子乗って頼んでくれたり、

会いに来てくれたり、

チップもらえるやんって。

 

自分を売る仕事じゃなきゃ

自己プロデュース鍛えられんと思ってたけど、

自分じゃない何かを売る仕事で

自分を魅せられれば結局それが買われ易くなる訳で。

買われ易さを指標に、

メインバイトで自己プロデュースがんばればええやんて気づいた。

 

 

想像以上に長文になっちゃったから

もう書かないけど、

辞めたいと思って相談した時、

辞めると決めて打ち明けた時、

有難い言葉を頂けて。

今後も会えたらいいなと、

いつか会いましょうと約束して。

 

そーゆー人達と巡り合えて、

本当に良かったと思う。

まじで、みんないい人だった。

 

 

この場を借りて、

キャストさんの益々のご活躍をお祈り申し上げます。

 

客として、また行けたらいいなあ。