私のナラティブ

正しいかどうか別として ごちゃごちゃ頭の整理箱

引き算の重要性

前回は基本的に

足すこと前提の話をした。

 

脳のキャパは無限大、

どこかでそう聞いたことがある。

 

時間と体力には限界があれど、

考えることには限界がない

 

そう思い込んでいた。

 

 

 

 

またまた、去年の夏ごろの話。

 

 

 

「みのりちゃん、引き算も大切だよ」

 

 

 

あの時、あの人に言われた言葉が

今ようやくわかってきたような気がする。

 

 

 

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例のバイト君が辞めたあとの、

最初のお店ミーティングのこと。

 

店の社員とバイトが出たのはもちろん、

違う系列ではあるが、

一応姉妹店にあたる店の店長が飛び込みで来た。

 

そのミーティングで私は、

溜まっていたことを全て話した。

 

 

 

最近緊張感がないということ。

現状維持の姿勢ではダメだということ。

バイトだから頑張らなくてもいいけど、

みんながそのつもりなら私もみんなのためには頑張れない。

シフトに協力してあげないし、

何も教えてあげない、仕事も任せない、当てにしない。

来てくれたお客さんのためだけに私は頑張る。

みんなが頑張ろうと思うのなら、

一緒に頑張りたい、もっと厳しくする。

その他、具体的にああしろこうしろ。

 

 

お盆、地元の同窓会2日共

バイトのせいで出られなかったこともあり

私は他のバイトに対しイライラしていた。

そのイライラをぶつけた。

 

 

姉妹店の店長は、それを黙って聞いていた。

 

 

そして、

みんなの意見を十分に聞けないまま、

特にこれといった解決策も見出せないままミーティングは終わった。

「結局みんな何も考えてないんだな」

そうガッカリしていた。

 

 

 

 

帰り際に、その店長に話しかけられた。

 

「op5ちゃんは、賢い人なんだね」

 

「はあ…」

 

 

 

別に嬉しくもなんともなかった。

周りのレベルが低いだけで、私は何でもない、普通。

頭がよかったらせめて早慶上智に行きたかったわ。

というかその発言自体、

私のことナメてるなと思ってしまった。

適当に流そうと思った。

 

 

「でも、太り過ぎも良くないよ、引き算も大事だよ」

 

 

意味が分からない。

私は食いついた。

 

「どういうことですか?」

 

 

「みんながついてこられなくなるよ」

 

 

 

?????????

 

 

 

「太った人の近くにずっといるとさ、なんか疲れちゃわない?」

 

「分からなくもないですが、

私だったら太ってる人の方が持ってるものが多いと思うのでガリガリよりそっちに行きます」

 

「そういう考え方の人は圧倒的に少ないんだよ」

 

「…」

 

 

 

私は黙って、

彼の話を聞くことにした。

 

 

当時のバイトリーダーにミーティング後

「さっきは言い過ぎだ」

と裏で咎められた後の出来事だった。

だから、

「はー、またお叱りタイムですか」

そう思い込んでいた。

 

怒られることには慣れている。

 

そしたら。

 

 

 

「op5ちゃんがまだ新人だったら、そういう姿勢は大事だと思う」

「けど、これからバイトリーダーになる訳で、社員さんの期待を背負う中で、その姿勢だとみんなとどんどん離れていっちゃうよ」

「率いる側の人間が自分から離れていくのは良くない」

 

 

なるほど???

 

 

「私は自分から離れていこうというつもりではないのですが。追いつけない周りに問題があるんだって思うのはいけないことですか?」

「じゃあ私がわざわざ、周りに合わせて自分のレベルを下げろ、ということですか?」

 

 

彼の話は理解できるが、

共感は出来なかった、断固として。

私の解釈違いと思いたかった。

だからそこは、

「そういうことじゃなくてさ…」

そう言って欲しかった。

 

それなのに。

 

 

 

 

「そうだよ」

 

 

 

 

エッ、

 

 

そ、そうなの…?

 

 

ふざけんなと思ったけど、

そこまで私に諭そうとしてくれる人は

今までそんなにいなかった。

だから、不快感もあったけれども

彼の話に興味が湧いた。

 

私は真面目に彼の話を聞くことにした。

 

 

 

 

 

彼曰く、

 

 

①自分の目線を少し下げる

②周りの目線を少し上げる

③目線が合う

④自分の目線を再び上げる

⑤周りとの差が広がる

①に戻る

 

その繰り返しなのだと。

 

 

 

 

自分が少しでも

目標を落とさなきゃいけないことに

尺に触ってないと言えば嘘になる。

 

 

けれど、

そういう考え方もあるのか!!

と、久々に頭の中がキラキラした。

 

 

確かに、人を育てるには

自分の目線を下げなきゃ

相手の気持ちにならなきゃ

ちゃんと育てることはできない。

 

 

 

危ない危ない。

 

目線を合わせる、とか

授業で習ったじゃないか、

腐っても福祉学部生だろ、私。

 

危うくどっかの教授とか

誰かさんの親みたいに、

支援対象者には優しくするけど

同業者やその類には厳しい、

そんな矛盾した大人になるところだった。

 

気づかせてくれてありがとう。

 

 

 

 

彼からは他にも色々教えてもらった。

為になる話ばかりだった。

 

書くのがめんどくさくなってきたので

当時のメモを載せておく。

 

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まあそれ以降、

私は徐々に丸くなっていった。

仕事中にキレることが減った。

ピシャッとする時にはする、

その後のフォローは忘れない、

「飴と鞭戦法」

を使うよう意識している。

 

今では、

まだまだのレベルではあるものの、

店長とは「みんな変わってきたね」

と言い合えるようにはなってきた。

 

 

けれどそれは、

"ちょっとした引き算"

に過ぎなかった。

 

 

 

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本当の意味で、

 

「引き算をした方がいい」

「太りすぎると、周りが疲れる」

「そうして、周りが離れていく」

 

が分かってきたのは最近のことだった。

 

 

 

私は足し算に飢えていた。

 

自己肯定感の低さを、

何かを出すことで満たそうとしていた。

 

がむしゃらに何でもかんでも、

遠回りだろうが関係ない、

何事にも意味がある、学びがある

 

そう思って、

自分を太らせまくっていた。

なんでも食べた。

 

 

そうしたら疲れ切ってしまって、

自分との距離が遠のく人が現れた。

 

 

もう1人の自分だった。

 

 

 

掲げている理想についていけない自分がいた。

そして太り過ぎていて、疲れてしまった。

これから太りたくても太ることが難しくなってきた。

 

 

 

 

引き算は、

他人を上げる為に使うだけじゃない。

自分自身を上げる為に使うことが大切。

 

 

 

痛いほど今、それを実感している。

 

 

 

 

 

 

さあ、私は何を引いて行こうか。